ぼかーんってする魔法
お疲れ様、テトさん。
ううううう……頭が爆発しそうだよ……。
一度にいろいろなことを詰め込んだものね。その分手応えはあるんじゃない?
うん! 今日だけで随分集中力がついた気がする! わたし、もっとたくさん魔法を使えるようになりたい!
ふふ、その意気よ。
ところでランジェさん、わたしが今勉強してるのって基礎魔法だけど、ランジェさんはもっとぼっかーん! とかどっかーん! ってすごい魔法を使えるんでしょ!?
ぼ……ぼかーん? ううーん……なんとも答えづらい質問ね。テトさんの言うすごい魔法って、どんな魔法かしら。
んーとね……雨を降らせる雲をぼっかーんって吹き飛ばしちゃったり、病気の人を一気にどっかーんって治すやつ!
ああ、それは儀式魔法ね。
ええ。私たち白魔女は、魔法を火、水、風、土、闇の5属性に分けて考えている。これについてはもう習ったわよね? さらに、魔法には属性とは別に4つの分類があるの。
よっつのぶんるい……。
テトさんが今日勉強した基礎魔法。基礎魔法を含む、自分が持っているアステールだけで扱える一般魔法。
それからこれはちょっとややこしいのだけれど、たくさんのアステールを使って魔法の道具を作り出す工房魔法。
あと一つが、さっき言っていた儀式魔法よ。
儀式魔法って、なんかいかにも難しそうな名前だなぁ。
そうでもないわ。条件さえ満たせば、テトさんにもちゃんと使えるのよ。
えっそうなの!? わたし儀式魔法使いたい!
なら、儀式魔法についてしっかり知識を身に着けないとね。儀式という名前の通り、この魔法は特別な儀式……一般魔法には必要ないものを準備する必要があるの。
たとえば、陣、長い呪文を唱える時間、触媒……薬草や輝石みたいな材料のことね。
そのショクバイって、何を使うの?
魔法によって様々ね。たとえば、テトさんがさっき言った病気の人を治す『賦活の魔法』に使うのは……。
透き通った小石4つ、タグレク草の種5粒、それから妖精の涙をひとしずく。集めるのはなかなか大変よ。
むむ……条件さえ満たせばって、そういうことだったんだ……。でも、わたし探し物は得意なんだ! 外の世界に出たら、タグレク草や妖精さんを見つけて、病気の人を治してあげるね!
ふふ、素敵な目標ね。儀式魔法は準備に手間がかかる分、絶大な効果や、長い時間続く効果を得られることが多いの。きっと旅先でテトさんや出会った人々を助けてくれるはずよ。
儀式魔法!?
儀式魔法!?
儀式魔法!?