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弱虫な神童:ラドミヤの驚き


ズビッ……ズビッ……ランジェさん、次のお話して……。


泣き疲れてしまったでしょう、今日はここまでにしてもいいのよ?


やだ! あと二人のお話も聞くもん!


わ、わかったわ。次は、『神童』ラドミヤのお話にしましょうか。彼女はテトさんと同じ、緑の魔女よ。


おそろい!


テトさんのこういうところ、ちょっとだけ羨ましいわね……。


ラドミヤさんはどんなマギサだったの?


たったの十二歳で、熟達した魔女を唸らせるほどの魔法の達人だったと言われているわ。


えぇっ!? 私と同じくらいの歳だよ!? 基礎魔法も、儀式魔法も、全部できちゃうの!?


基礎魔法の概念が生まれるより前の話だからなんとも言えないけれど、影操りの魔法で一度に十人の盗賊を縛り上げた とか、箒に乗れば馬の三倍の速さで飛べた……なんて噂もあるわね。




まあ、あくまで噂だから、本当のところはどうだったか……。




テトさんっ!


ハッ! びっくりしすぎて頭が固まっちゃったよ……。

