top of page
水彩ブラシ7

 弱虫な神童:ラドミヤの驚き

TETO4.png
MASSE5.png

ズビッ……ズビッ……ランジェさん、次のお話して……。

RANGE1.png
MASSE5.png

泣き疲れてしまったでしょう、今日はここまでにしてもいいのよ?

TETO2.png
MASSE5.png

やだ! あと二人のお話も聞くもん!

RANGE2.png
MASSE5.png

わ、わかったわ。次は、『神童』ラドミヤのお話にしましょうか。彼女はテトさんと同じ、緑の魔女よ。

TETO5.png
MASSE5.png

おそろい!

RANGE2.png
MASSE5.png

テトさんのこういうところ、ちょっとだけ羨ましいわね……

TETO5.png
MASSE5.png

ラドミヤさんはどんなマギサだったの?

RANGE1.png
MASSE5.png

たったの十二歳で、熟達した魔女を唸らせるほどの魔法の達人だったと言われているわ

TETO2.png
MASSE5.png

えぇっ!? 私と同じくらいの歳だよ!? 基礎魔法も、儀式魔法も、全部できちゃうの!?

RANGE5.png
MASSE5.png

基礎魔法の概念が生まれるより前の話だからなんとも言えないけれど、影操りの魔法で一度に十人の盗賊を縛り上げたとか、箒に乗れば馬の三倍の速さで飛べた……なんて噂もあるわね。

TETO2.png
は??.png

​  

RANGE3.png
MASSE5.png

まあ、あくまで噂だから、本当のところはどうだったか……。

TETO2.png
は??.png

    

RANGE2.png
MASSE5.png

テトさんっ!

TETO2.png
MASSE5.png

ハッ! びっくりしすぎて頭が固まっちゃったよ……。

RANGE2.png
MASSE5.png

同じ緑の魔女でも、テトさんとラドミヤは全然違いそうね。

TETO1.png
MASSE5.png

そうなの?

RANGE4.png
MASSE5.png

彼女は魔法の才に恵まれたけれど、その分、強すぎる驚きの感情に翻弄されて苦しんでいたのよ。

TETO1.png
MASSE5.png

びっくりすることがあると、私は毎日楽しいけどなぁ

RANGE4.png
MASSE5.png

そこがテトさんとラドミヤの違いね。彼女にとっての驚きは、未知の事柄への恐怖に繋がった。

RANGE3.png
MASSE5.png

極端に人との関わりを嫌い、ほとんど誰とも口を利かず、一日中工房から出てこないこともあった。だから彼女は『神童』だけでなく『弱虫の』ラドミヤとも呼ばれていたの。

TETO3.png
MASSE5.png

えぇ~……かっこ悪いし、かわいそうだよ!

RANGE1.png
MASSE5.png

大丈夫、もう彼女を弱虫なんて呼ぶ人はいないわ。代わりに、彼女にはこう呼ばれているの。

TETO1.png
huwa2.png

わくわく……!

RANGE5.png
MASSE5.png

『霧払う風』ラドミヤ、ってね。

TETO5.png
MASSE5.png

かっこいい~~~~!!

RANGE1.png
MASSE5.png

ラドミヤが使った最期の魔法は、その名の通り、霧を払う風の魔法だったのよ。

TETO1.png
MASSE5.png

それだけ聞くと、普通の儀式魔法みたいだけど……。

RANGE4.png
MASSE5.png

彼女が払ったのは、エルゴが生み出したおぞましい邪毒の霧。儀式魔法で同じことをするには、長い時間と複雑な手順が必要で、とても間に合わなかったでしょうね。

TETO2.png
MASSE5.png

エルゴの毒霧!? 絶対危ないよ!

RANGE2.png
MASSE5.png

その通り。実際、毒の霧に包まれた街は壊滅寸前だったの。けれど、頼みの綱だったラドミヤは、街中を探しても見つからなかった。

TETO3.png
MASSE5.png

逃げちゃったの?

RANGE1.png
MASSE5.png

半分正しくて、半分間違っているわね。彼女は街の人から逃げて、一人で最期の魔法を使おうとしたの。捨て身の魔法を使うのを、誰にも止められたくなかったから。

TETO4.png
MASSE5.png

そっか……街の人は、ラドミヤさんに優しくしてくれたんだね。

RANGE1.png
MASSE5.png

ええ。人との関わりを嫌ったラドミヤを、街の人は一度も責めたりしなかった。彼女を街の一員として温かく迎え入れ、たまに外に出てきた彼女に何かと世話を焼いていたそうよ。

RANGE1.png
MASSE5.png

そんなイリスたちがいたからこそ、彼女は最期まで『人を嫌う』ことだけはなかったと言われているわ。

RANGE1.png
MASSE5.png

自分を疎んじなかった優しい人々を、どうしても、守ってあげたかったんでしょうね。

TETO4.png
MASSE5.png

ラドミヤさん……!

RANGE1.png
MASSE5.png

恐怖で竦むラドミヤの体は、災いを吹き払う力強い風になり、エルゴの脅威から街を守り抜いた。

RANGE1.png
MASSE5.png

ラドミヤに身を呈して救われたのを悟った街の人々は、風になった彼女が怯えないように、家の中で隠れて泣いたと言われているわ。

TETO6.png
MASSE5.png

街の人と、ラドミヤさんの優しさは、どんなときもちゃんと通じ合っていたんだね。

RANGE1.png
MASSE5.png

そうね。ラドミヤのお話は、イリスとマギサが手を取り合って生きていけるという、希望の物語だと思うの。

RANGE1.png
MASSE5.png

信じてくれた人たちに応えたい。私たちマギサの原動力は、今も昔も変わらないはずよ。

三倍

三倍

矢印
水彩ブラシ12

 誰より優しかったあなた:

       “彼女”の怒り

矢印
水彩ブラシ12

 鏡の魔女:

    ティリスの喜び

bottom of page