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魔法を使うときはこっそりと
そもそも、魔法がどういうものか、テトさんは知っている?
はーい! 偉大なる魔女が残した流星、アステールを通して、神様とお話をして、力を貸してもらうことです!
よろしい。ちゃんと覚えてたのね。
長老様に耳にタコができるまで教え込まれたからね。
なるほど。それで、テトさんは将来“外に出たい”のよね?
うん。外の世界を回って、いろんな景色を見に行くんだ!
なら、さっきみたいに軽率に魔法を使っては絶対にダメ。そんな人を集落の外に出すわけにはいきません。
そんなぁ~!
いじわるで言っているわけじゃないのよ。たとえばそうね、テトさんが得意な箒の魔法。上手な人は馬より速く飛べるわよね?
はいはーい! わたしも馬よりもっと速く飛べます!
ふふ。でも、そんな速さで飛んでいるものを見たら、イリスさんたちはどう思うかしら?
すごいって思う!
危機感ってものが足りないわテトさん……。答えはびっくりする。それこそ緑のアステールが出てしまうわ。
そっか! イリスの人たちは箒で飛べないんだった!
そうよ。だから、びっくりしたイリスさんたちは周りの人にそれを教えて回ってしまうでしょうね。
そんなことされたら町にいられなくなっちゃうよ!
ようやくわかってくれたみたいね。だから、魔法を使うときはこっそりと、極力人に見られないようにしないとダメなの。
はぁい……これから気をつけます。
よろしい。魔法を使うときは必ず呪文を唱えないといけないから、地味な魔法でも気付かれてしまうことは多いわ。いつも慎重でいることを忘れないでね。
でも、集落で箒に乗るのは……。
許可を取らないとダメです!
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